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新年度恒例の宿題調整宣言

遊び由来学習(Moon)
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Sunが5年生、Moonが2年生になりました。

ことしも、始業式の日に手紙(A4用紙4枚)を持たせ、面談をお願いしました。

以下は今年のお手紙の内容です。

Contents

担任の先生に渡した手紙

今年一年大変お世話になります。


我が家では、独自の教育方針をもち、よりよい教育環境を設定するために、

学校と連携し教育を行うべく、

毎年担任の先生には年度当初に宿題の取り組み方について、

お話をさせていただいています。

宿題の本質は、授業で習ったことを習熟するためのものです。

30人いれば30通りの理解の程度があり、

本来であれば個別の理解に応じた宿題が出されることが理想です。


タブレット学習による宿題もそれを期待されて導入されていますよね。

ただ、タブレット端末による学習は非常に表面的で、

浅い学習(反射的に解答できる問題しか扱えない)しか確認できないことが難点です。

現代社会は、AI技術の発展により、

既存の仕事がAIにとって代わられるようになっている時代です。


社会で求められる能力とは、

□創造性(クリエイティブティ):データ、情報、文章等から意味を読み取る等

□経営、管理(マネジメント)

□もてなし(ホスピタリティ)

といった非定型分析的、非定型相互作用的な労働需要が高まっています。


それに伴い、大手企業も何でも平均的にできる均質な人材ではなく、

社会全体に漂う閉塞感を打破するような斬新なアイディアを示せるような、

主体性と実行力のある人材を求めています。

コロナショックにより、その傾向はより顕著になっています。


社会が求めるような能力や人材は時代の変化とともに大きく変容してきています。

それなのに、宿題の内容は私が小学生であった30余年前と同じです。


一橋大学教授で「教育のための科学研究所」所長の新井紀子氏の

「AI VS 教科書の読めない子どもたち」という著書

のなかにも、教育の在り方について懸念が書かれています。


以下抜粋(P230)

私が最近、最も憂慮しているのは、ドリルをデジタル化して、

項目反応理論を用いることで「それぞれの子の進度にあったドリルをAIが提供します!」

と宣伝する塾が登場していることです。

こんな能力を子どもたちが重点的に身につけさせることほど無意味なことはありません。

問題を読まずにドリルをこなす能力が、最もAIに代替えされやすいからです。


 小学生のうちからデジタルドリルに励んで「勉強した気分」になり、

テストでいい点数をとってしまうと、それが成功体験となってしまって、

読解力が不足していることに気づきにくくなります。


 中学校に入ってもデジタルドリルを繰り返せば、1次方程式で満点が取れて、

英単語や漢字は身につきますから、そこそこの成績は取れるはずです。

 ところが、受験勉強に向かい始める中学3年生になると、なぜか成績が下がってしまう。


 本人は薄々気づいているはずです。

「なんだか学校の先生が言っていることがわからない」

「教科書を読んでもわからない」・・・。

けれども、どうしてよいかわかりません。

だから余計にデジタルドリルに没頭してしまいます。


 東ロボくん(※著者がAI技術によって東京大学入試を突破できるかに取り組んだロボットの名前)に散々ドリルをさせた私は自信をもって言います。

読解力を身につけない限り、そこから先の成績は伸びません。

読解力のある生徒が受験勉強に精を出し始めると、

読解力のない子の相対的な成績は、むしろ下がる一方です。

東ロボくんも、いくら憶える英文の数を増やしても、

英語の成績は偏差値50前後で伸び悩みました。

現在〇〇小学校にて高学年学習指導補助として勤務していますが、

算数の学習に困難を示す子の全てが

「計算はできるけれど、読解力がなく、

何を聞かれているか読み取れない」ことによるつまづきを抱えています。


読解力があれば、自宅で一人で教科書を読んでも学習を進めることが出来ます。


このようなことから、我が家では5歳時から、

文章を絵図化して問題を解くという「どんぐり倶楽部」の「良質の算数文章問題」に取り組んでいます。(週に1,2問の頻度)

4MX72
カレイのレイちゃんの誕生日に缶入りのクッキーケーキを買ってきて、
缶ごと重さを量ったら38269㎏ありました。
このクッキーをみんなで3分の1食べてから、重さを量ったら今度は25924㎏でした。
では、このクッキーが入っている缶だけの重さは何㎏でしょうか。



以下は「どんぐり歴5年」のSunの作品です。

このように文章を絵図化することで、

どこが分かっていて、どこが理解不足なのかが可視化できます。

(親は一切教えることはありません)


間違えた問題は「分からん帳」に保管し、

正解するまで何度でもチャレンジします。

そうすることで、自ら思考力を鍛えていくことができる仕組みです。


自分で倍概念をつかみ、わり算に発展させていった彼女は、

文章中の数字だけをピックアップし「割るの?かけるの?」

と言ったような算数文章題を苦手とする子が言うようなことは一切ありません。


複雑な単位換算も、

桁数の多い割り算(全ての四則計算を含むことから、習熟度チェックも兼ねています)も

ドリルを繰り返すことなく身につけていきました。


また、漢字学習も何度も同じ文字を書くことはさせていません。

何度も書くことによるゲシュタルト崩壊現象を防ぐためです。


漢字学習はイメージフィックス法(IF法)といって、

頭の中で何度も再現し、書くのは大きく一度だけという方法を採用し、

SunもMoonも当該学年の漢字のまとめテストではほぼ満点近くをとってきました。


音読学習についても、イメージ再現を大事にするため

1度だけ読むということで何度も読ませることは避けました。


また、計算カードの宿題は一切回避していました。

なぜなら、単純反復訓練は新たな思考回路作成の妨げになるからです。


そのため、1年生のMoonは学年末に行われた計算オリンピック(計算の速度を競うもの)では、

「クラスでビリだった・・・」と悔し気な表情をしていましたが、

「計算は速くする意味はないよ。

どうがんばっても、人間は、計算の速さでコンピュータには勝てないからね。

大事なのは、場面を計算式にできる力だから。

同じものが増えたり、合わせたりときにつかうのがたし算で、

減ったり、違いを表すときにつかうのがひき算だったりね。

+とか-は算数の言葉だよね。

その場面を算数の言葉で表せることの方がずっと大事だから。」と話しました。


2年生では九九を習いますが、Sunのときも、計算カードは一切使わずに九九の宿題を行いました。

計算カードではなく、「三角計算練習」(別紙参照)という方法を用います。


このように我が子の特性に合わせ、

保護者が宿題を取捨選択し、授業内容を習熟へと導くことを引き続きご了承ください。


これまで懸念されていたのは、宿題提出について特別扱いすることにより、

クラス運営上の問題があるかどうかの点でした。

宿題チェック係のような、児童同士で宿題の内容をチェックするような係を置くことは、

避けていただき、計算チェック表などは他の子と同じように書いて出すことで、

特に問題はなく過ごしてきました。
今年度もそのようなご配慮をいただければ大変ありがたいです。


学校での学習につきましては、一切お任せします。

本人たちが授業中に必要なことを学べるように、

万全の体調を整えて登校できる環境設定をしてまいります。


学校と家庭の両輪にて、娘達の学習環境を作っていけることを願っています。

どうぞよろしくお願いいたします。

始業式に面談

昨年はこのような手紙をSunには始業式に持たせ、

Moonは入学式の後、私が担任の先生にお手紙を渡したのでした。

Moonはこの手紙を担任の先生に渡すことをとても不安がっており、
(始業式当日に先生に連絡帳を提出する子はいないため)

案の定「渡せなかった・・・」と帰ってきてしまいました。

私は仕方なく学校に届けると、

丁度教室にSunの担任の先生もいらっしゃっており、
じゃあこれからお話できますか?

とお時間をいただけることになりました。

Sunの担任の先生は30代の女の先生、

Moonの担任の先生は新卒3年目の20代の女の先生でした。

手紙を受け取った印象は、我が家の方針に理解を示され、

協力的に話を進めてくださいました。

Sunの担任の先生は、従来班でまとめて係が宿題提出チェックをするというやり方をされていました。

もしSunの内容が他の子と異なることが明るみにでるようなことがあれば、

クラスに「良質な算数文章問題」に取り組んでいる事情も話そう、ということになりました。

(この点については、去年までも同じですが、

これまでそれが問題になたことはありませんでした)

Moonは九九の計算カードの検定についても触れられました。

「検定チャレンジ」があって、順番通りや逆さ順に唱えたり、

バラバラにして唱えて間違えなかったら合格シールをもらえるものです。

計算カードを使わないことによって、Moonが困るのでは・・・というお話でした。

Sunも2年時には検定合格したのは最後の方だったそうです。

それでも学校で練習するだけで大丈夫だった、というので、

「特にやり方を変えて頂かなくて大丈夫です」と伝えました。

MoonはSunとあえて比較すると器用ではないので、

なかなか合格できずに泣くこともあるかもしれません。

その時は、本人が練習することを止めませんし、

練習に付き合って欲しいと言われれば付き合います。

もう7歳ですから、本人の意思と行動を尊重しようと思っています。

新学期は毎年話を受け止めて下さる先生が担任になるかどうか・・・

子どもと同じように私もドキドキしています。

これを「担任ガチャ」と表現している方がいましたが、

言い得て妙!!と膝を打ちました(笑)

今年はこのガチャに当たったなぁ・・・、という印象です。

何かあればまた書きますね。

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