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宿題調整宣言~Sun小6&Moon小3~

まんまりえ’s Room
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皆様こんにちは。

新年度が開始して、1週間が経ちましたね。

今年も始業式の日に、Sun(小6)とMoon(小3)の担任の先生と面談し、

宿題調整についてお話すべく、単身赴任中の夫とメールのやりとりで相談しました。

その結果出来上がった提出文書がこちらです。

Contents

宿題調整についての文書

担任の先生各位                              

今年一年大変お世話になります。

我が家では、独自の教育方針を持ち、より良い教育環境を設定するために、

学校と連携し教育を行うことを願っております。

そのため毎年担任の先生には年度当初に宿題の取り組み方について、

我が子の特性に合わせ、保護者が宿題を取捨選択し、

授業内容を習熟へと導くことをお伝えしてきました。

 

 保護者による宿題の取捨選択により、

宿題提出時などに特別扱いされていると。

クラス運営上の問題がないよう宿題チェック係のような、

児童同士で宿題の内容をチェックするような係を置くことは、

避けていただく等、今年度もご配慮をいただければ大変ありがたいです。

(なお、ドリルチェック表などは他の子と同じように書いて出すことで、

特に問題はなく過ごしてきました。)

 

学校での学習につきましては、一切お任せします。

本人たちが授業中に必要なことを学べるように、環境設定をしてまいります。

学校と家庭の両輪にて、学習環境を整えていくことを希望しておりますので、

どうぞよろしくお願いいたします。

宿題の本質は、授業で習ったことを習熟するためのものです。

30人いれば30通りの理解の程度があり、

本来であれば個別の理解に応じた宿題が出されることが理想です。

タブレット学習による宿題もそれを期待されて導入されています。

しかし、タブレット端末による学習は非常に表面的で、

浅い学習(反射的に解答できる問題しか扱えない)

しか確認できないことが難点です。

こちらの問題をご覧ください。

Q:ラケットとボールで1,100円です。
ラケットはボールより1,000円高いです。
では、ボールはいくらでしょう?

多くの子は、1100と1000という数字を拾い、

1100-1000=100

ボールは100円である、と答えてしまうでしょう。

しかし、この問題を見た小4当時のSunは

「1000円高くて、二つで1100円。

ということは残りの100円を二つにわければよいから、

ボールは50円に決まっているでしょう。」

と答えました。

一橋大学教授で「教育のための科学研究所」所長の新井紀子氏が

「AI VS 教科書の読めない子どもたち」という著書のなかで、

タブレット学習について懸念を述べられています。

私が最近、最も憂慮しているのは、ドリルをデジタル化して、

項目反応理論を用いることで

「それぞれの子の進度にあったドリルをAIが提供します!」

と宣伝する塾が登場していることです。

こんな能力を子どもたちが重点的に

身につけさせることほど無意味なことはありません。

問題を読まずにドリルをこなす能力が、

最もAIに代替えされやすいからです。

 小学生のうちからデジタルドリルに励んで「勉強した気分」になり、

テストでいい点数をとってしまうと、それが成功体験となってしまって、

読解力が不足していることに気づきにくくなります。

中学校に入ってもデジタルドリルを繰り返せば、

1次方程式で満点が取れて、英単語や漢字は身につきますから、

そこそこの成績は取れるはずです。

 ところが、受験勉強に向かい始める中学3年生になると、なぜか成績が下がってしまう。

   本人は薄々気づいているはずです。

「なんだか学校の先生が言っていることがわからない」

「教科書を読んでもわからない」・・・。

けれども、どうしてよいかわかりません。

だから余計にデジタルドリルに没頭してしまいます。  

 東ロボくん (※著者が開発したAI技術によって

東京大学入試を突破できるかに取り組んだロボットの名前) に

散々ドリルをさせた私は自信をもって言います。

読解力を身につけない限り、そこから先の成績は伸びません。

読解力のある生徒が受験勉強に精を出し始めると、

読解力のない子の相対的な成績は、むしろ下がる一方です。

東ロボくんも、いくら憶える英文の数を増やしても、

英語の成績は偏差値50前後で伸び悩みました。

AI VS 教科書の読めない子どもたち P230

私は、昨年度まで高学年学習指導補助として勤務していました。

算数の学習に困難を示す子の全てが

「計算はできるけれど、読解力がなく、何を聞かれているか読み取れない」

ことによる躓きを抱えています。

 読解力があれば、自宅において一人で教科書を読んでも学習を進めることが出来ます。

上記の問題は、内容としては1次方程式の内容です。

しかし、小4当時のSunはイメージを操作することで、なんなく解いています。

このような思考力を育てようと思ったら、

タブレットドリルでは難しいことは新井氏が指摘する通りであると思います。

Sunが持つ思考力は5歳の時から文章を絵図化し、

イメージを操作して思考する学習方法を続けてきたからです。

◇Sunの場合

5歳半から「どんぐり倶楽部」の「良質の算数文章題」に取り組んでいます。

【5MX98】

ある日、タレ目パンダ君は巨大パンダになりたくて1日で49.65㎏の体重増加を目指しました。
ケーキ1個で298g、ジュース1本で165gの体重が増えます。
ケーキ5個とジュース1本は必ずセットになっているとすると、 目標までには何個食べることになるでしょう。

以下は「どんぐり歴6年」のSunの作品です。

◇Moonの場合

5歳になったときから、「どんぐり倶楽部」の問題に取り組みました。

しかしSunの時とは、進化の仕方が異なり、

このまま続けるかどうかを非常に迷いました。

そのようなときに、人にはそれぞれ得意とする情報処理特性があることがわかりました。

(別紙参照:面談時にお渡しします。)

※下記資料の情報処理特性のチェックシートをお渡ししました。

Sunは聴覚言語型が主で、

Moonは視覚空間型が主であると思われます。

試行錯誤の結果、現在は「キャリア育児研究会」の

「これだけ文章題~算数の森~」に取り組んでいます。

【3年生8番】

ぼくは今日、欲しかった時計とかっこいいくつを買うことにしました。
時計の値段は、くつより3000円安い1200円です。
くつの値段はいくらでしょうか。

Moonの作品です。

最初は「安い=ひき算」と短絡的に考えてしまいました。

しかし意味が通らないことに気づき3日目に

「3000円安くて1200円ってことは、足せば時計の値段になるんだ。」と、

絵図を通して理解していきました。

このように文章を絵図化することで、

どこが分かっていて、どこが理解不足なのかが可視化できます。

(親は一切教えることはありません。)

間違えた問題は「分からん帳」に保管し、

正解するまで何度でもチャレンジします。

そうすることで、自ら思考力を鍛えていくことができる仕組みです。

視覚空間型のMoonは、座学型の講義は向かない傾向にあります。

情報処理特性上、集中力が途切れやすく、

かつ抽象的なことのインプットには非常に時間がかかるため、

習って直後はアウトプットが追い付かないことが多いです。

しかし、丁寧に読解力を育てていますので、必ずや後伸びすると思い接しています。

主な調整方法

計算ドリルは同じような計算20問全てをやらせるようなことはありません。

一問やらせてみて手順を理解しているようならそれ以上はやりません。

(割り算の習熟には、三角計算や穴あき九九など(※別紙)を活用します)

漢字ドリルは新出漢字のみ1行練習ということは避け、

熟語にして1回ずつ書くなど工夫します。

むやみに何度も書くことによるゲシュタルト崩壊現象を防ぐためです。

音読学習についても、言葉からのイメージ再現を大事にするため

丁寧に1回読むことを基本とし、何度も読ませることは避けます。

また、教科書のみを繰り返すと飽きがきてしまうので、

斎藤孝氏の「12歳までに知っておきたい語彙力図鑑」

を音読教材としていることも多いです。

ドリルパーク(タブレット学習)は宿題では一切行いません。

(授業内での取り扱いについては言及致しません)

そのかわり、本人の理解度に合わせた問題を行い提出します。

自主勉強(※4年生以上)については本人に任せておりまして、

Sunは他の子と同じように提出しております。

以上のように本人の理解度に合わせて宿題内容を調整させていただいておりますが、

ご理解、ご協力の程よろしくお願いいたします。

担任の先生と面談

このようなお手紙も4年目ですから、新旧担任間での引継ぎがあるような印象でした。

Moonの小1の時の担任の先生が、教務主任になられたこともあるでしょう。

Sunの担任の先生が5年時と同じ先生でしたので、お手紙のみで面談はなしでした。

Moonの担任の先生は40代後半~50代くらいの転任されてきた女性の先生でした。

始業式の日の夕方の面談では、お手紙をよく読まれており、

「私も特に算数のタブレットドリルについては、

お母さんと同じように思っていた点も多いんです。

ただ漢字の書き順などのチェック機能があるソフトもあり、

良いところは活用していきたいです。」

とおっしゃいました。

宿題をしっかりと見て頂けるのであれば、お任せしますということでした。

成長段階に合わせた学習の必要性

ということで、今年も初めの大仕事が済みました(‘◇’)ゞ

Sunに関しては、これが最後の宿題調整宣言になります。

中学以降は出来上がった思考回路を

スパルタ方式で鍛えていく段階に入ります。

「今でしょ!」で一世を風靡した東進ハイスクールの人気講師林修氏。

この書籍の中で、このように公文式を肯定しています。

「中学のときに通っていた公文式と英会話学校は、

結果的に数学と英語の受験勉強を早めに終わらせることに役に立ちました。

特に公文式で爆発的な量の計算の訓練をしたことはよかったと思っています。

僕は公文式肯定派なんです。」

「受験必要論」人生の基礎は受験で作り得る 林修著

公文式のようなパターン学習と出逢うのは、

やはり思考回路が出来上がった中学以降がよいのだと確信。

林氏はじっくりと「わからない」を育てていくことの重要性を語っています。

 わかりにくいものを読ませ、自分で考えさせて放っておくというのは、

ものすごく硬いするめを与えるような教育なんです。

全然飲み込めないするめがありますよね。

でも、ずーっと噛んでいるとだんだんふやけてきて、

最後には食べられる。

そして食べるためにクチャクチャやることがアゴを鍛えたわけです。
ところが今は、口どけのいいなめらかなプリンのようなものばかり渡すんです。

楽にツルッと体内に入っていく。
しかし、それではアゴのは鍛えられない。
勉強も同じことです。
だから僕は「わからない時間が尊いんだよ」と言い続けてきたんです。

実は「わからない時間の尊さ」が浸透していないのには理由があって。
小さい頃から保護者が「なんでわからないの?」と怒ってしまうことに

原点があると思うんです。
子どもが「わからない」と言ったら、本当はお母さんはにっこり笑って、

むしろ褒めてあげるべきなんです。

「そう、わからないの。なら一緒に考えようか」と。

そういう時間が貴重なんです。

わからないというのは大チャンスで、わからないことを頭に入れておくのは

素晴らしいことなんだよ、と教えてあげるべきなんです。

「受験必要論」P41~

そしてMoonの様子を観察していて、

どんぐり問題のように複雑で入り組みすぎた問題では、

取り組むモチベーションが下がっていることが絵から伺えました。

しかし、「算数の森」に変更してからは、

絵図に描けばわかりそう!というギリギリのラインがみえるためか、

彼女が描く絵や字が大きくてハッキリしていて、

思考している様子が分かります。

こちらの絵と先ほどのお手紙の中のMoonの絵と比べてみて頂きたいです。

思考する意欲は絵に現れるものだなぁと感じたのです。

発達段階を知り、今のこの子には何が必要なのか?

「みる」ことから始まりますね。

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